歯科医院に行くことが好きな方はほとんどいらっしゃいません。
したがって、そのドアを開けることはとても勇気のいることだと思います。
患者さんに伺うと「何をされるかわからない」から怖い、
また、歯科医院独特の「におい」「音」もとても苦手と言われます。
特に痛みを感じて来院なさった患者さんの場合は、
はっきり顔に「不安」の文字が浮かんで見えます。
良質な治療をするためには、患者さんの痛みの具合、
不安の程度、
現在の全身状態を伺った上で、すぐに取り去ることのできる痛みか、
時間がかかる痛みかなど、
この痛みの原因を
はっきり理解して頂くことに
まず心を配ります。原因が理解できれば心の緊張もやわらぎ、
痛みも薄らぐことになります。患者さんとのコミュニケーションは、
器具を使う治療以前に安心という心の治療から
入っていかなければと考えています。
治療に際しては患者さんの歯を残せないかということをいつも考えています。
抜いてしまえばただ一本の歯ですが、噛むためのバランスが
長い時間をかけて自然に調整され、血液の流れなども調和しているはずですし、
母親から授かったものに勝るものがあるはずがないと思います。
ですから、残せる歯は残したいのです。
また、本院には勤続30年近い技工士が常勤しています。
治療中も食事がとれ、
外見を損なわないために仮義歯を作ることが重要だからです。
不自由さを極力感じずに完治へ導くことも私の大きな課題と考えています。 |